Yocchi's property man

ベーターカプセル
Beta Capsule

1966年〜1967年 ”ウルトラQ空想特撮シリーズ 第2作”
「ウルトラマン」に登場!

科学特捜隊”ハヤタ隊員”が持つ、ウルトラマンへの変身アイテムです。

子供の頃、それはもう〜欲しくて欲しくてたまらなかったのであります。
ベーターカプセルを見たくてウルトラマンを見てたと言っても過言ではありません。
それ程までにこのシンプルな光るカプセルは私を虜にしました。

ゴモラの回の「怪獣殿下」が、もの凄く羨ましかったのを覚えています。



しかし、ハヤタ隊員・・・ 大切な変身道具のワリに
やたらと落としたり無くしたり・・・( ̄‥ ̄)=3 フンガー

戦闘中にガレキの下敷きになり、気が付くとベーターカプセルは
わずかに手が届くかどうかの微妙な位置に転がって・・・

必死に手を伸ばすハヤタ隊員・・・・。
(≧∩≦)/

ええ、やりましたよ。

布団のガレキに埋もれて懐中電灯のベーターカプセルに
必死で手を伸ばす「ハヤタ隊員ごっこ」を・・・(=^_^=) ヘヘヘ



それから十数年・・・・ 

結婚し子どもを授かった頃、オモチャ屋さんで
BANDAI 「ウルトラマン&セブン W変身セット」
なる物に遭遇します。

確か1989年頃の話です。
1/1ベーターカプセルは初めての商品化でした。

目を疑いながらも震える手で商品を確保! レジへ・・・



このセットに入っているベーターカプセルはとても良く出来ていて
赤いボタンの右側を押すと充電開始、左側を押すとフラッシュ発光します。
音声ギミックは無く、フラッシュだけの簡単な物でした。

後年、ほぼ同じ形状をしたベーターカプセルの単品売りも有りましたが
こちらにはフラッシュ発光機能は無く、LEDによる点滅と
SE(効果音)機能が追加された別物になっていました。

で、私のベーターカプセルは子どもと激しく遊びすぎた結果
フラッシュのキセノン管が切れてしまいました〜(ToT)

形状や色・大きさなど、微妙に違う感じもしてきたので、
ここはひとつキセノン管の交換を兼ね大改修する事にしました。

ケースは木で作った原型にプラバンをヒートプレスし左右を貼りあわせて作り
キセノン管はタミヤから発売されていたRC戦車の発光キットから拝借。
フラッシュ用回路は変身セットの物を少し改造し使用しています。

※この回路にはとても高い電圧がかかっており改造は大変危険です。
決して真似しないで下さい。



また、先端の金属製パーツはとても肉薄な金属製だと思われ
長い間、私の技術では製作不可能だったのですが
昨今、気が付けば身近に金属加工のプロ達が・・・

ここでようやくチャンス到来!
積年の思いを晴らすべく行動の時と相成りました。

まず、同じバンドメンバーである「ギー太大先生」に図面を起こしてもらい
新潟県燕市の職人様により黄銅板の絞り加工で形にして頂きました。



出来上がったキャップ状パーツの表面と角のRを
自分のイメージに近づけるよう耐水ペーパーで調整します。

山型の切り抜きは
これまた同じバンドメンバーである「スラッピー社長」にケガキを入れてもらい
私がボール盤→リューター→棒やすりにて開口し仕上げました。



ちなみに、この「山型の切り抜き」の数は合計6ヶ。
切り抜かれて残った枠の太さは約1.5ミリ。

この枠の太さでは強度的に不安が残りますが、実はこの切り抜きは
正確な6等分では無く、真上からみて八角形(8等分)の左右2面を残し
上下3面づつ切り抜いて6つの窓をあけたような感じになっています。
(正確な8等分という事ではありません)

左右の2面は太い枠を残しているので
必要最小限の強度は保持しているようです。


開口を終えたパーツにはニッケルメッキを施してもらいました(^▽^)/



ニッケルメッキは手入れが行き届かないと表面が濁ったり
白く曇ったようになってきます。
しかし今回はそれが目当て・・・だったりしています(;^_^A


取り替えたキセノン管は細いガラス管なので、そのままだと
先端パーツの中がスッキリし過ぎて何か寂しい感じがします(汗)



そこで、実際のベーターカプセルにも使用されていた
写真撮影用閃光電球「フラッシュバルブ」(オリジナルの形式は不明)を利用し
フィラメント部分を取り除きキセノン管の上に被せて撮影当時の雰囲気を
でっち上げてみました。

(※キセノン管は透明ストローで被覆してあります)



ちなみにベーターカプセルの先端パーツには幾つかのバージョン違いが存在します。
先端に向かってテーパーが付いたタイプやほぼストレートに近いタイプ。
その中でも角のRがゆるいモノからきついモノまで・・・
ものが薄いだけに落して変形した事に起因するのもあるでしょう。

本体のケースも同様に、黒ラインがビニールテープや塗装のタイプ。
ラインの太・細やケースにクビレが見られるものなどがあります。

それとは別に
ベーターカプセル本体下部には落とした時に壊れたのか欠けている所があったり
修理された痕や、また別の欠け部分なども見受けられます。

この事から一部のバージョン違いは撮影で酷使され修理を繰り返した事に
よるものだと思われますが、 詳しい事は解明出来ていません。

この辺は当時の小道具係さんにお聞きしてみたい事なのでありますが
そんなチャンスは訪れないでしょうね・・・(´∀`)

そこで、
今回私の目指すところは先端の金属パーツがほぼストレートで角の丸まった
「ゴモラの回に怪獣殿下が拾ったタイプ」なのでありました〜(~∩~) 


次はキャップと本体の固定方法です。



真鍮で作ったリング状パーツの際に1ミリのネジを
2箇所取り付けケース本体内側に接着します。

キャップ内側のアクリルパイプに1ミリ幅のL字の溝を2箇所入れ
あとは差し込んでねじれば(^ー^)OK!



内部の発光ユニットは電池交換の度に取り出さなくてはならないので
出し入れし易いよう小さくスマートにまとめています。



というわけで、ようやく完成です♪



早速、変身だ〜〜! (≧∩≦)/



チャージは1〜3秒ほどで、電池が尽きるまで
何度でもフラッシュ発光させられます。



昭和41年〜42年の放映当時から欲しくてたまらなかった
ベーターカプセルを、43年経った2010年3月!
ようやく手にする事が出来ました (T∩T)


(上)・自作版  (下)・食玩「アクションアーカイブ・ウルトラマン」版



子供の頃の自分に渡してあげられたらなぁ〜



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