Yocchi's property man
アスベルのガンシップ
Nausicaa of the Valley of Wind. Asbel's Gunship
「風の谷のナウシカ」ペジテ市の戦闘機 製作記 G
前ページからの続きです。
尾部のランディングギアを作っていきます。
メインギア(主脚)は”風の谷のガンシップ”を参考に製作しましたが、
尾部についてはこれといった決定打もなく悩みまくり・・・です。
設定集には前・後同じランディングギアを使ったタイプも描かれています。
ガンシップではなく、他国のメーベのようなものにはナマズのヒゲみたいな
スキッド(そり)が付いていたりもします。
アスベルのガンシップの尾部は噴射口になっており、その一部に
車輪を格納出来るスペースはありません。
この事から、尾輪式降着装置は諦めテールスキッド(尾ぞり)式降着装置で
作業を進めることにしました。
まずは、尾部のRに合わせプラバンを3枚切り出します。
テールスキッドといっても単なる棒状やプレート状のものだと味気がないので
機体の一部がせり出すようなスキッドを作ってみます。
尾部周辺にプラバンをヒートプレスしておきます。
どんな形状が正解なのかも分からないまま
手探りでパーツを切り出すのでありました。
と言うワケで、取り合えず形に。
設置面を広く取りブレーキ効果を狙ったり、衝撃を吸収出来るような
形状にしたつもりのパーツが↓こちら・・・。
これらのパーツを機体に収めてみます。
この周辺の内側には、機体を張り合わせる為にポリパテを盛ってあるので
ガンガン削ってフレームを定位置にもっていきます。
無事、収まりましたがFRP溜まりがあったりして
作業に時間がかかる事この上なし・・・
出来上がったスキッドや主脚パーツにディテールを追加しておきます。
機体側にはポリパテを盛り、スキッドのフレームにはダボを付けて
位置決めしておきます。
左右張り合わせてみるとこんな感じです。
お約束の展開状態。
マニピュレーターがニョキニョキと、
どこかの潜水艇のようでもあります。
これでテールスキッドの工作も一旦終了です。
続いての作業は”主翼”になります。
主翼関連のパーツはネジ止めするように加工していたので
主翼→フシ→くびれ→機体の順でネジ止めしながら仕上げます。
また、”くびれパーツ”を作ってから2年半くらい何もしなかったせいか、
経年変化で少々開くように変形してしまったので(↓赤丸)
そこら辺から修正していきます。
では早速。
これくらいの変形ならドライヤーで温めればすぐ直るのですが、熱風が全体に
かかっていらんトコロまで変形させちゃうのも嫌なので、ピンポイントでお湯に浸け
修正する事にしました。(これが後々大変な事に・・・)
しかし、先端の歪みを取ってみると結構全体的に歪んでいたりして
ピンポイントで温めながら修正し始めていたのに・・・・・
気が付いた時には鍋の中でぐらぐら煮てました・・・
思っていたより熱で柔らかくしたFRPの作業性は良く
形状の修正も無事に終了しました。
そして噴射口のアーチ状切欠きを整えました。
上:は半円形。
下:は直線的な感じに仕上げます。
と、ここまできたところで”くびれパーツ”に異変が・・・・
ポツポツと何やらニキビのような膨らみがあちらこちらに出てきたのです。
最初は針で穴を開け瞬着を流し込んで処置してましたが、
日に日にその数が増えていきます。
2週間ほど格闘しましたが修正した所にまた同じ症状が・・・
もうどうにもならないのでプラサフを全部落とし原因を探ると
FRPの凹凸をならす為に盛ったポリパテとFRPの
接している所がゲル状に変化していました。
空気に触れても硬化する気配すらありません。
それどころかガス?が発生しているような気さえします。
お湯で煮てしまったが為にFRPが変質したようです。
幸いな事に浸食されたのが第一層目までだったので
サンドペーパーで一層目を全部削り落としなんとか復活
しましたが、この修正にほぼ1ヵ月をかけてしまいました。
とほほ・・・
教訓:「ポリパテを使って平面出ししたFRPパーツは煮ちゃダメ!」
て、ことで作業再開します!
ようやく綺麗になったパーツに機関砲の穴を開けていきます。
9.5ミリのスチールパイプを使い適当な長さにカット。
土台にはプラバンを使って位置を決めます。
このパイプ、後でライフリングを施しLEDにて電装予定なのであります。
続きまして噴射口です。
実はココ、このガンシップを製作するにあたり一番やりたくない部分といいますか
凄く楽しみにしていたと言ったらいいのか、とにかく気になっている箇所なのでした。
電装する都合上、配線のスペースを確保しながら作業を進めます。
まずプラバンにマスキングテープを貼り、平行が分かるようにしておきます。
それを”くびれパーツ”内の噴射口付近へ仮止めしておきます。
そこへポリパテを盛って形にしていきます
ポリパテの面を整え、黄色のマスキングテープに沿って切り込みを入れ
押さえのプラバンを外しスリットを作ります。
↑取り合えずこんな感じに。
続いて、フシ・パーツの一部に熱でクセを付けた細切りプラバンを貼り込みます。
なんだか”エヴァ Q”に出てきそう〜
いよいよ噴射口を作っていきます。
まずはフシ側からです。
ここで”フシ”と”クビレ”パーツを接着!
”エヴァ Q”の骨組みに、左官屋よろしく ポリパテをのせていくのであります。
・・・と、口でいうのは簡単なのですが、これがなかなか綺麗にならんのです。
もういろんな物を利用して綺麗なRを創り出すのでありました。
プラサフを吹いて確認。
何とかいい感じに!ってか、もうこれ以上私には無理〜!
しかし試練は続きます。
次は機体側です。
今度はジャンクパーツからR具合の良いパーツをチョイスし、
機体裏から適当に貼り付けます。
この時点で全ての主翼パーツを機体側へ接着します。
↑丸穴以外の隙間が電装用コードの逃げ道になります。
またもやポリパテを塗り付け、噴射口を演出していきます。
ここはパティシエのスキルを最大限に利用しナッペするのであります。
もう、何度やっても難しいものは難しい〜!
納得出来るまで調整し続けるのであります。
って事で、なんとか終了〜!
内側にスジ彫りを入れ、ひとまずOK!
機体を左右合わせてみます。
電装用のスリットも平行を保つ事が出来ました。
続いて噴射口内部にフィンを取り付けます。
原作本では画像のように2枚のフィンが描かれています。
しかーし
実際に設置してみると、実は手前にもう一枚隠れていて
計3枚のフィンであった事が判明。
当然、私の模型では・・・って話なのですが、パーツの厚さ以外のバランス
にはかなり気を配って作ったので、恐らく間違いないかなぁ〜と。
これにて、噴射口回りも一旦終了します。
続いては、王蟲の目を利用しているであろうメインの風防と
コクピットの風防を作っていきます。
まずはメインの風防からです。
原作本を見る限りでは、機体ギリギリの径の風防を
きっちりはめ込んでいるように見えます。
ニカワやヤニのような物で接着してあるのか
それともコテで焼き止めたのかは分かりませんが
あの王蟲の目を確実に固定しています。
というわけで、模型的強度を持たせしっかりと固定
出来るような窓枠を作っていきます。
まず、機体の直径よりわずかに大きく切り出したプラバンと機体を
貫くように穴を開け、ビスを通しておきます。
内側に丸めたプラバンを差し込み接着しました。
仮に取り付けてみます。
ポリパテを充填し、機体に沿うように削っていきます。
紙粘土で王蟲の目を意識しながら盛ってみました。
続いてコクピット用風防も紙粘土で作っておきます。
プラサフを吹き付け表面をならしていきます。
いつものように桃象にてバキュームフォームしました。
コクピット用風防は透明塩ビ板でバキューム後、その上から
0.3ミリのプラバンでさらにバキュームしました。
パーツを切り出し仮組しました。
↓王蟲の目のようなメイン風防ののりしろは
黄色いマスキングテープの範囲までとして、
下のプラ部分はこの先切り取ってしまいます。
ここまでの作業を終え、機体内部に主脚用レールを接着しました。
ついで、メインギアのカバーを接着します。
これで一通りの作業が終了しました。
ぐるりと一周です。
前方
後方
斜め前方
斜め後方
ランディングギアを出して
側面
後方下
そして
今年も5月18.19日に開催された第52回静岡ホビーショー
モデラーズクラブ合同作品展「宮崎メカ模型クラブ」ブースにて
展示させて頂く事が出来ました。
会場にて
↓こちらはソラキオさん製作中のコルベット!
自軍の被弾煙を利用しアスベルのガンシップに詰め寄った時、
ここだ!と煙から出るシーンを彷彿とさせるグラマラスな機体。
「ドンピシャ!」 「テェッ!」 「バウッ!」 「おーやったぞ!!」
ムラさんのコルベットも登場!
「さわぐんじゃねぇ かすっただけだ!」「たいした野郎だぜオレの弾幕をかわしやがった!」
なんて、バックグラウンドにてナウシカごっこに興じるおっさん1名・・・
あ〜楽しい!
来年こそは皆で完成させて写真に収めるぞぉ〜っと!
最後までお付き合いくださいまして有難うございました。
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